セミナーをおこなうと「これを食べたら強くなるか?」とか「これを食べたらだめか?」と食品や料理を限定した質問があります。その際は、食べたら・飲んだらダメな食品はなくて、それを食べたり飲んだりする「量・頻度・習慣」の方が重要だということを伝えています。
社会人選手になるとアルコールを飲む選手もいると思います。アルコールは飲まない方がよいかと聞かれたことがあります。選手に対してよいか、わるいかと言えば、飲まない方が身体のコントロールはしやすいと考えます。飲む量にもよりますが、身体はアルコールの処理を優先します。そのため、トレーニング後のたんぱく質の合成や糖、脂質の代謝などの肝機能を低下させてしまいます。そうなると疲労蓄積、回復の遅れも考えられます。
そんなアルコールですが、よい意味で食欲増進や血液循環をよくする、緊張をほぐす効果も期待できます。
社会人選手には自分で食べるものに対しても責任を持ち、自分で考えて選択することで自己管理の大切さを日々実感実践してほしいと感じます。もちろん、知識の提供や選択で迷ったときに私たちスポーツ栄養士が頼れる存在としてサポートできる環境を整えられるようにしていきたいと思っております。
管理栄養士・公認スポーツ栄養士
寺尾 美佳